インターネットの速い・遅いは、多くの人は体感で判断するものと思います。
しかし、インターネット速度は分かりやすい数値で測ることもできます。
この記事ではインターネット速度を測る方法、インターネット速度の目安などをご紹介します。
さらに、速度が遅い場合の対処法も解説していきますので、快適なインターネット環境を整えるのにお役立てください。
インターネット速度の目安は?
現在のインターネット速度は「Mbps(メガビーピーエス)」という単位で表されます。
将来的にはMbpsの千倍にあたるGbps(ギガビーピーエス)が使われていくと考えられますが、現状では2種類の単位を混ぜるとかえって分かりづらくなるため、Mbpsで揃えられることが多いです。
回線業者のプラン表・ルーターの仕様表などにも登場する単位ですので、押さえておくと役立つ知識です。
インターネット速度には「上り」と「下り」がある
インターネット速度には、手元のスマホ・パソコンから情報が出ていくときの「上り」と、インターネット上からのデータをスマホ・パソコンに取り込むときの「下り」の2種類のルートが存在します。
回線業者のプラン表では、上りと下りのそれぞれの速度が表示されてることが多いですが、上りと下りの速度は概ね連動しているので(速い回線はどちらも速く、遅い回線はどちらも遅い)難しく考えなくても大丈夫です。
「下り」主に気にすべきはこちら!ネットを活用するなら30Mbps前後
インターネット利用のほとんどは、インターネット上からのデータをスマホ・パソコンに取り込む「下り」です。
いわゆる「ダウンロード」という言葉も、下り(ダウン)の読み取り(ロード)という意味です。
回線選びは下りの速度を基準に選べば間違いがありません。
それぞれの使い方で確保したい速度は以下の通りです。
メールのみ | 〜1Mbps |
WebサイトやSNSを見るだけ | 〜10Mbps |
動画視聴・オンライン会議 | 〜30Mbps |
ネットゲーム | 〜100Mbpsかそれ以上 |
現代のスマホ・パソコンの利用では、動画視聴やオンライン会議(ビデオ通話含む)をする機会が増えています。
30Mbps程度が確保できると、人から勧められた動画をすぐに見られたり、急な仕事にも対応できるので安心です。
オンラインゲームが生活の中心になっているプロゲーマーやゲーム実況者は、通信の途切れを意識して電波よりも有線接続を選ぶなど、速度以外に別の基準も生まれてくるようです。
「上り」SNSに画像や動画を投稿する人は意識する
普段は意識することがありませんが、「上り」の通信が行われないとそもそもインターネット上にデータを取りに行く命令も送信されなくなり、インターネット自体を使うことができなくなってしまいます。
また、SNS・LINE・メールなどで写真や動画を送信するときは上りの速度が使われますので、そういった操作の多い人は上りの速度も意識しましょう。
特に動画の送信は、上りが遅い回線では長時間を要したり失敗してしまう恐れがあります。
メール | 〜1Mbps |
SNSやLINEの写真投稿 | ~3Mbps |
SNSやYouTubeの動画投稿 | ~10Mbpsかそれ以上 |
ただし、上りの速度が速い回線は下りも速くなるので(遅くなる場合も連動します)上りの速度のみを意識することはほとんどありません。
シンプルに「速い回線」か「遅い回線」か、データの送信に料金がかかる(月々のデータ量が消費される)かどうかの判断基準で考えればOKです。
インターネット速度を計測できるサイトをご紹介
ここまで解説してきたインターネット速度を、実際に計測できるサイトを2つご紹介します。
インターネット速度診断ページ|Fujitsu x Cadenza
サイトにアクセスし、数値が確定するまで少し待ちます。
数値確定後にページ下部へスクロールすると、各サービスを快適に使えるかどうかの目安も知ることができます。
スピテ|すぐわかる!インターネット回線の通信速度を瞬時に測定
https://cadenza.co.jp/speedtest/
最初のサイトと計測値が異なる場合がありますが、通信速度は刻一刻と変わっていくものです。
それぞれのサイトで何回か計測し、平均値を出していくとより正確な速度を把握できます。
インターネット速度が遅い場合の対処法
インターネット速度が遅い場合の対処法を、4つの原因別に解説していきます。
スマホ・パソコン本体、それを繋ぐケーブルや機器、通信業者のプランや会社そのものの質など、インターネット速度には様々な要素が絡みますので、それぞれの可能性を確認しなければなりません。
もしくは、それらを多角的に分析・提案できる業者(個人向けのパソコン修理業者・法人向けのシステムベンダーなど)に相談してみましょう。
実はインターネット速度ではなくスマホ・パソコン本体の動きが悪い場合
インターネットを使っていて遅くて不便な状況の原因が、実はインターネット速度ではなくスマホ・パソコン本体の動きが悪いだけというケースもままあります。
スマホ・パソコンの再起動をする
スマホ・パソコンが故障しているわけではなく、アプリの誤動作・データの詰まり・電波をうまく拾えていないなどの「ちょっとした軽いトラブル」は日常的に発生します。
これらの軽いトラブルは、スマホ・パソコンの再起動(iOSの場合は再起動というメニューがないため、一度電源を切って入れ直す操作)をしてやると、あっさり解決してしまうことがあります。
使っていないアプリを終了させる
スマホ・パソコン上で多数のアプリが同時に起動していると全体の動きが悪くなることがあります。
iOS・Androidでは手前に表示されているアプリ以外は本体の動作に影響を及ぼさない調整がされていますが、Windowsでは何十個もアプリ(ウィンドウ)を開きっぱなしにする使い方は厳禁です。
Windowsで同時に開くアプリ(ウィンドウ)は、その場の作業で必要な数個に限定し、それ以外は画面上の「×」から閉じておくようにします。
同じ建物内でスマホ・パソコンが多過ぎないか確認する(利用者数・台数)
これは下記の通信機器の問題にも関係しますが、同じ建物内の(=同じ通信機器を利用する)スマホ・パソコンの台数が多過ぎると、通信機器が引き受けられる台数の余裕がなくなったり、限界を超えてしまいます。
するとその場にあるスマホ・パソコンのインターネット速度が全体的に遅くなったり、インターネットに接続できないスマホ・パソコンが出てきたりします。
その場にあるスマホ・パソコンの台数を減らすか、通信機器の方を同時接続数の多いハイパワーのものと交換するか、どちらかの対処法が取れるでしょう。
通信機器やケーブルに問題がある・古いものを使い続けている場合
スマホ・パソコンの接続先である通信機器や、繋がっているケーブルが故障している可能性があります。
また、年式が古い通信機器やケーブルはより高速な通信速度を出す能力がそもそもないため、最新の設備を使用している外出先のインターネット速度に見劣りしてくるようになります。
ONUとWi-Fiルーターを再起動する
スマホ・パソコンと同様に、Wi-Fiルーターも軽いトラブルであれば再起動で解消することがあります。
また、Wi-Fiルーターの先に更に大元の機器(ONU)がある場合はこちらの再起動も試しましょう。
ONU・Wi-Fiルーターともに再起動ボタンどころか電源スイッチもない機器がままありますので、再起動と言ってもコンテントから抜いて繋ぎ直すという少々乱暴な操作となります。
あまり頻繁にコンセントの抜き差しを繰り返すと故障の原因となりますので、一度試して改善が見られない場合は別の可能性を疑いましょう。
LANケーブルをより高速のものと交換する
LANケーブルの表面をよく見ると、LANケーブルのカテゴリー(能力を表す数値)が印刷されています。
- CAT.5
- CAT.5e
- CAT.6
- CAT.6A
- CAT.7
- CAT.7A
- CAT.8
これらのうち、CAT.5のケーブルは現在の感覚では遅い速度に感じられる場面があります。交換がおすすめです。
CAT.5e~CAT.6は速度の面では十分ですが、近年では生産が縮小されていてお店で取り扱っていないケースがあります。無理に探し出して買う必要はないと考えられます。
CAT.6A~CAT.7Aが十分な速度を持ち、価格も手ごろ、お店でもよく取り扱われています。
CAT.8はより高速ではあるものの、高額なので業務用以外で購入する必要はないというのが実情です。
Wi-Fiルーターからスマホ・パソコンへの電波に邪魔がないかを確認する
Wi-Fiルーターからスマホ・パソコンまでの間に、壁や扉などの障害物がある場合は、電波が邪魔されてインターネット速度が遅くなります。
また、電熱器(ホットカーペットなど)や電子レンジなどの強い電磁波を出す家電が電波の邪魔をしていることも。
持ち運べるスマホ・パソコンであれば、通信速度が欲しいときのみWi-Fiルーターのそばで使うという回避策もあります。
どうしても壁や扉を隔てた部屋で使いたいという場合は、電波の「中継器」を設置するという手段もありますが、これもまた機器選びや設置場所に知識が必要です。専門業者に設置を依頼する可能性も検討してみてください。
Wi-Fiルーターを最新の機種と交換する
LANケーブルと同様に、Wi-Fiルーターも古い機種では速度が遅くなるので、時期を見て交換した方が良いかもしれません。
Wi-Fiルーターの表面に規格が印刷されていますので、判断の材料にしてみましょう。
- 11b
- 11g
- 11a
- 11n(Wi-Fi 4)
- 11ac(Wi-Fi 5)
- 11ad
- 11ax(Wi-Fi 6)
また、利用できる周波数の違いもあります。
Wi-Fiルーターの商品パッケージには、使える周波数を大きく表示していることが多いのでこちらも参考にしましょう。
- 2.4GHz(DSなど昔の機器も接続できる周波数、障害物に強い)
- 5GHz(現在の主流)
- 60GHz(被る機器が少ないメリットがあるが特殊)
11b・11g・11aは速度が遅い古い規格ですので、交換がおすすめです。
11adは60GHzのみしか扱えず、接続できる機器も限られるため、導入するとしたら割り切りが必要です。
また、2.4GHzは5GHより速度が遅いものの、壁などの障害物に強いというメリットを持つのでまだまだ現役です。
これから購入するなら2.4GHzと5GHzが両方使える11acや11axが良いでしょう。11nも2種類の周波数を扱えますが、現在では生産が縮小されていますので、無理に探し出して買う必要はないと考えられます。
プロバイダーや加入しているプランが遅いものになっている場合
ここからはプロバイダーなどの回線業者の問題となります。
同じ業者内で対応を求めても改善が見られない場合、業者の乗り換えという選択肢もあります。
多くの人が利用する混雑時間を避ける
昼休みや夕方以降など多くの人が利用する時間帯は、回線も道路の渋滞のように混雑して速度が遅くなります。
特に価格が安く人気がある回線は、混雑時間の遅延が目立つようです。
このような時間を避けて利用する、たとえば時間がかかるダウンロード・アップロードは深夜や早朝に行うなどの工夫で、応急処置ができるかもしれません。
「IPv6」が使えるプロバイダーやプランに変更する
長年同じ業者・同じサービスを利用していると、加入中のサービス自体が遅い速度のままになっていることがあります。
(業者側で自動的にスピードアップの措置を行うこともありますが、契約内容によっては物理的に難しいケースがあります)
特に「IPv6」になっていない(多いパターンは「IPv4」と呼ばれるサービスのまま長年使っている)という場合は、同じ業者内でプランを変更するだけで一気に速度が上がることがあります。
NTTの場合はプランの末尾に「ネクスト」とついているものがIPv6のサービスで、古い契約の利用者にプラン変更を積極的に勧めています。
インターネット回線にトラブルが発生している場合
最後に、利用者のスマホ・パソコンや設備に一切問題がなく、回線業者にトラブルが発生している(電線が切れている・輻輳のトラブルが発生している)というケースです。
回線業者も完璧ではないので、時々トラブルが起こってしまうのは仕方がないことです。
しかし、あまりに頻繁にトラブルを起こしてインターネットが使えなくなる時間が多いという場合、業者の乗り換えという選択肢もあります。
回線業者に連絡し、トラブルが解消されるまで待つ
回線のトラブルが見られる場合、契約している回線業者に連絡しましょう。
近隣で同じようなトラブルが発生している場合、いくつかの利用者から連絡(情報提供)があった方が業者も対応がしやすいと言われます。
先述のONUやケーブルも回線業者の管轄であることが多いので、手元のスマホ・パソコンのトラブルではない事を確認した段階で業者に連絡して対応を求めてしまっても本来は良いのです。
ただ、業者に連絡してから作業員が派遣されるまでに時間がかかり、場合によっては数日に渡ってインターネットが遅い・使えないままになってしまうことも多いです。
自分で解決できそうな原因はできるだけ潰し、業者への連絡は最終手段にするのがおすすめです。
トラブルが多発する場合は他サービスへの変更を検討する
あまりに業者責任のトラブルが多い、インターネット速度が改善しないなどの問題点が見られる場合は、業者の変更も検討しましょう。
回線を預かるくらいの大手企業なのでどこも安心かというとそのようなことはなく、取引先であるはずのネットゲームのメーカーから名指しで批判されてしまう業者などもあります。
トラブルが解決されない・対応が遅いなどは、設備よりも経営方針などの「人」に問題があることが多いので、違和感を覚える業者なら退会してしまった方が良いです。
インターネット速度の目安は?速度が遅い場合の対処法のまとめ
インターネット速度を測る方法、インターネット速度の目安、速度が遅い場合の対処法を解説しました。
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